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Pianoteqがバージョン8になりました。メジャーアップグレードということでデザインが一新されました。さらに本バージョンから「ギター」のインスツルメントパックがリリースされています。併せてレビューしていきたいと思います。
ベーシックな機能についてはバージョン6の記事で書いていますのでそちらをご参照下さい。
Pianoteq 7
その前にバージョン7について記事を書いていなかったので、コチラについて少し触れておきたいと思います。
バージョン7の時に画期的な新機能、レイヤー機能とモーフィング機能が追加されています。さらにFelt Pianoのプリセットもこのバージョンから追加されました。
レイヤー機能
数種類のピアノ音を重ねるレイヤー機能が追加されました。またこの機能を使って低音部と高音部を分けて使うスピリット機能も追加されています。LIVEで使用する場合、スピリット機能が便利そうですね。
レイヤー機能はある程度自分の中でイメージした音作りをしたいときに使っていきます。例えばアンティークでちょっと変わったピアノの音をイメージしたとします。この場合、PinoteqのCondition設定で傷んで古くなったピアノは作れるのですが、ちょっとイメージからは遠い。
Tack Pianoのような金属的な響きを出したかったので、アップライトU4にスティールパンの音を70:30の比率で重ねてみました。
モーフィング機能
レイヤー機能が音を重ねるだけだったのですが、こちらはふたつの音を混ぜ合わせて全く別の楽器を創作する機能です。より簡単に新しい楽器を創作できるようになりました。
レイヤー機能で作った音はある程度予測できるのに対して、こちらは予測不能な音が生まれるのが面白いと思います。自分でプリセットを選択して作るよりも「Random」ボタンでPianoteqにお任せする方が面白い音に出会えそうです。
偶発的に選択されてモーフィングされた音です。
Felt Piano
ピアノのハンマーと弦の間にフェルトを挟んで音を柔らかくする方法です。シネマ系のピアノ音でよく耳にします。サンプル系のピアノ音源ではこれに特化したものもありますね。
ヴァージョン7からこのフェルトピアノのプリセットが追加されました。
Pianoteq 8
デザインが一新されて垢抜けた(笑)感じがしますね。個人的には前のデザインのほうがオタクっぽくて好きなんですが・・・。
バージョン6から7の時は音作りの幅が広がりましたが、バージョンアップによるピアノ自体の音質の変化は地味なもの(持続音が長くなった)でした。しかしバージョン7から8ではピアノそのもののわかりやすい音質が変化が見られます。
よりピアノらしく
ひとことでいうと、よりピアノらしくなりました。ピアノの打鍵時の音の立ち上がりが以前のバージョンより良くなっています。この部分は他のサンプル音源と比べてPianoteqの弱点でもあったので、かなり改善してきたと思います。
サンプル音源のリアルさには及びませんが、ハンマーが弦に当たる感じがリアルになっていますね。そして演奏しているうちに感じる倍音の音の広がりは流石ですね。
新機能
- 外部オーディオ入力による共鳴
- ユーザー定義可能なストレッチポイントによるピアノのファインチューニング
- ノートごとにかかるビブラートとトレモロエフェクト
が新機能として加わっています。「①外部オーディオ入力による共振」はReasonのRadical Pianoにもついていた機能ですね。結構面白いことができそうです。
これらの新機能を使ってまた。いろいろ実験してみたいと思います。
クラシックギター
そして今回からクラシックギターのインスツルメントパックが追加されました。これはかなりうれしい驚きです。
物理モデリングギターは先発でAASのものがありますね。こちらはギターのジャンルによる奏法の機能などが充実しています。それぞれに優れた面を持ち合わせているので、用途に合わせて使いわけていきたいですね。
Pianoteqのギターをさらっと鍵盤で弾いてみましたが、かなりギターのニュアンスが出せます。
マイクポジション
Pianoteqの特徴である様々なピアノをコンピュータで作っていくという点。この部分はかなりマニアックな部分で一般的に手をつける人は少ないかもしれません。いずれ深掘りした記事は書いてみたいと思います。
今回はもうひとつの自由度の高い部分でもある、マイクポジションについて触れてみたいと思います。
自由度の高いセッティング
サンプル系のピアノ音源でもマイクのセッティングは選べるのですが、録音されたサンプルを元にしていますので選択の幅は決められています。しかし物理モデリングピアノの場合、マイクのセッティングも自由です。ピアノを創作するだけでなく、空間も創作できるんですね。
MIC MODEの他にBinoual MODEも選べます。これはバイノーラル録音という方式で、人間の頭部を再現しシミュレーションした方法。鼓膜に届く状態で音を記録するという方法です。演奏しているときに本人が直接聞こえる音を再現しています。サンプリング音源の再生モードに「Player」と名前のものがありますが、この方法で録音したものですね。
先ほどのピアノとギターの演奏のマイクセッティングを実際に演奏しているギター奏者の頭の位置にしてみました。先ほどの設定が楽器の音を直接集音してるのに対してこちらは、演奏者に聞こえている空間の音になっています。
マイクを選ぶ
マイクを自由に選ぶことも出来ます。
たとえばFelt Pianoの音でビンテージマイクを選んで、あえて1本だけで使用するというのも面白いですね。こうすることでレトロ感を出すことが出来ます。シネマ系の音楽でのちょっとした演出で活用すると便利です。
マイクもタイプ別に11種類、さらにその中からomni,cardio, fig8のマイクセッティングモードを選ぶことができます。
感想
年々進化してきている、Pianoteq。公式でもアナウンスがあったように、かなりピアノの響きにこだわったアップグレードですね。これからも進化が楽しみなソフトウェア音源です。
より探求して
Pianoteqの面白いところは、ピアノをシミュレーションするだけでなく空間そのものも作り込んでいけるところですね。ある意味、生楽器をコンピュータで再認識、そして学習出来る部分でもあります。
コンピュータ音源は年々進化していって本当に面白いですね。そしてそこ通じてに関わる人との交流もまた今という時代を感じるところです。進化するテクノロジーに溺れることなく、情報の波にうまく乗ってたくさんの人と楽しんでいきたいですね。
コンテスト
Pianoteqのビデオコンテストが開催されています。今年も11月24日から開催されています。様々なユーザーがPianoteq8を使った動画でエントリーしています。興味のある方はご覧下さい。
コンテストというよりもユーザーが楽しむコミュニティーといった感じです。ひとつのプロダクトを通じて、いろんな国の人達が交流していけいるというのも魅力的ですね。
ピアノ音源まとめ記事
たくさんのピアノ音源を簡潔にまとめています。ご参照ください。
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付録ー調声に最適なヘッドフォン!
付録として、エムフリお気に入りのお薦めグッズをここに掲載します!
今回は調整作業に使っている、ヘッドフォンです。
僕は基本的にヘッドフォンで音楽を聴くのは好きではなくて、アナログ録音時のモニターか雑音などの最終チェックにしか使いません。
その理由は再生音がヘッドフォンによる特性にかなり左右されるからです。なので制作時にはその目的に応じた音のヘッドフォンを選択することになります。録音時のモニターや雑音を検知するのに適したものを選びます。
ただ、ヘッドフォンはそれほど好きではないのです。空間を介さない直接耳に伝える音なので、どちらかというと好んで使うというよりも、作業工程で仕方なく使うことが多いです。
♡購入までの経緯
最近、SynthesizerVで調声をするようになって、MacBookPROを使用して外出先などでも作業するようになりました。そうするとヘッドフォンは必須となってきます。長時間装着して疲れなければ、まぁイイかくらいで適当に選んでいました。
当初はデザイン性からTeenage Engineering のヘッドフォンを使用していました。オシャレな感じと携帯に便利なので使っていました。ハイがカットされて中低位域がモッコリするので、ちょっとしたMix用にも使えそうなの感じでした。しかし、カバンに入れて持ち歩いていると可動部分が折れてしまいました。
気に入っていたので(デザインが〜笑)再注文して、ついでにいろいろ検索していると「アシダボックス」なるものを見つけました。ものすごく評判が良くて一時期は入手困難な状態が続いていました。日本のメーカーでデザインがなんともレトロ。
Teenage Engineeringのヘッドフォンよりも安かったのでポチってみました。
♡調声に最適
結論からいいますと、めっちゃイイです。特にSynthesizerVの調声作業にバッチリです!
丁度、人の声の部分が聞きやすくて微細な変化もこのヘッドフォンだと聞き逃すことがないです。SynthesizerVで調声をされている方には、是非是非お薦めのヘッドフォンです。コスパも良いです。
同じデザインで、ST-90-05とST-90-07というのがあります。僕が購入したのはST-90-07のほうです。評判になっていたのはST-90-05のほうなのですが、さらにパーツのグレードを上げて音をよくしたのががST-90-07です。
低域はあんまり出ませんので、そういった需要の音楽には不向きです。声が聴き取りやすいので、調声とは抜群に相性がイイです。先にもいったようにヘッドフォンは、その目的に応じて使うのが理想的で万能性を求めるものではありません。
最初にいったようにヘッドフォンを使うのはあまり好きではないのですが、これはかなりお薦めです。これを使い出してから、SynthesizerVの調声で細部の音の動きに迷うことが減って作業効率が上がりました。
とにかく声の微細な変化がとてもわかりやすいので、是非使ってみてください!
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