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数年前から世界各国で街中においたピアノを自由に弾く動画が流れ初めて、日本でも都庁ピアノを初め、自由に演奏できるピアノがアチラこちらに現れました。こういったピアノをストリートピアノといい、派手な演奏をして有名になるYouTuberも増えてきました。
私はストリートピアノ以前に暴力的な演奏は好きではありません。楽器がレイプされているようで気分が悪くなります。
今回はこのストリートピアノについて考えてみたいと思います。
ストリートピアノの歴史
ストリートピアノは2008年、イギリスから始まりました。バーギンガム市の街中におかれた15台のピアノでたくさんの人が自由に演奏をしました。
発祥
これはPlay Me, I’m Yours という世界規模のストリートピアノプロジェクトです。
同年10月にブラジルのサンパウロ。2009年にはオーストラリアのシドニー、アメリカのニューヨークへと活動を広げました。そして世界に700台以上も設置されいて、多くの人が町中に設置されたピアノを自由に演奏して愉しみ始めました。
日本の場合
日本でもPlay Me, I’m Yours が設置しているピアノがありますが、都庁ピアノなど自治体主導型のものやYamahaやKAWAIなど各メーカーが先導してストリートピアノを設置をしています。特にYAMAHAでは LovePianoというストリートピアノ・プロジェクトを立ち上げています。
ストリートピアノ戦略
ちょっと前にこのようなツイートを見つけました。
視聴者たちが求めるもの
ピアノを弾くという観点からは先のツイートの方に私も同意見なのですが、YouTubeにおいてはちょっと違います。
まず、YouTube視聴者の大半が微細な表現を聞いていません。パフォーマンスを観ています。視聴者の大半は見栄えの良い演奏を求めています。ピアニシモの美しさやペダリングの余韻などはどうでも良いのです。そもそも情報量の大半は音よりも指の動きに目がいっています。
これはピアノに限らず、YouTubeに多くの視聴者が求めているものが高尚なものではないということです。有益な動画を掲載しているソフトウェア開発会社よりも、見栄えの良い動画を掲載してる会社のほうが登録者数も再生回数も多いです。
YouTuberたちの戦略
なので、YouTuberたちも視聴者にあわせた動画を作っています。そもそもYouTuber自体が再生回数で勝負している世界です。数十万回再生されれば数十万円収入の世界です。音楽性を重視して再生回数を稼げるならそちらで勝負しますが、そうでない場合は手っ取り早い方法を選ぶのはやむを得ません。そうでなければYouTuberなんかしません。
YouTuberの中では早々にストリートピアノを撤退した人もいます。この人は自宅スタジオで撮影したものをメインに動画を上げていて、ピアノ系のYouTuber再生回数上位の人です。
プロの演奏家の中には、「YouTuberの演奏なんてコンサートとかライブ、スタジオレコーディングなどの仕事では通用しない」と言っている人もいます。そうかもしれませんが、だからこそYouTubeを主戦場にしてるんじゃないかな、と思います。自分をわかっているからこそ、そこで勝負している人たちです。確かにそういった部分で勝負していない人からすれば下品な感じはします。しかし、自分自信のスキルで勝負しているのだから他人にとやかく言われるスジではないです。
自分の体験からいってもストリートピアノをちょっとやったからといって、YouTubeでそう簡単に結果を出せるものではありません。ストリートピアノを演奏しているすべての人がYouTubeで成功しているわけではないです。そこではストリートピアノをというカテゴリーでの熾烈な戦いがあるのです。
だから有名YouTuberは、しっかりしたマーケティング戦略をとって結果を出せている人達ということです。
人が集まるところに
先日、楽器店にふらりと立ち寄ったら商品棚に「ストリートピアノで栄える演奏」みたいなポップが張ってありました。そして、そこにはストリートピアノ専用の楽譜集が販売されていました。
楽譜をパラパラと見てみましたが、私が弾きたいような曲は1曲もありませんでした。つまり私はストリートピアノには、ほぼ不向きな人間です。
人が集まるところにお金が集まります。
お金が集まるところにさらに人が集まります。
YouTube動画でのストリートピアノはまさにこの状態です。YouTuberもひとつの職業と考えるなら、こういう世界で生きる以上、自分のスキルでやれることは何でもやるというたくましさも必要でしょう。ただ、自分はこのやり方は好きではありません。しかし、好きでないからといって全否定はしません。
ただ、今後いろいろなカタチで今の狂乱ぶりは淘汰されていくことと思います。
音楽との対話
私はピアノのに限らず暴力的な演奏は好きではありません。だから自分の演奏スタイルではありませんし、そういった表現もしません。自分自身の演奏スタイルの中で、オーディエンスとの対話を深めていきたいと思っています。
このスタンスでは何らかの幸運でバズったりしないかぎり、おそらく大多数の大衆にアピールできるような事はないでしょう。
しかしこういったことは今に始まったことではなく、音楽というものが人々と関わるようになって、何百年もずっと繰り返されてきたことです。
それを嘆かわしいと感じる人もいるでしょう。
しかし、大衆が理解しないことを嘆いていることの方が嘆かわしい、とあるときに気づきました。音楽も人と同じで対話する相手を間違えてはダメなのです。話を聞く気のない人に話しかけても無駄です。
だから、そういう相手に聴いてもらいたいなら聴いてもらえるように工夫する努力もまた必要でしょう。
自分の場合たとえ少なくても、自分と音楽の対話に耳を傾けてくれる人たちとこれからも関わっていきたいと思っています。そういう意味からも、ストリートピアノは私にとっては全く別の意味を持つ場所かもしれません。
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付録ー調声に最適なヘッドフォン!
付録として、エムフリお気に入りのお薦めグッズをここに掲載します!
今回は調整作業に使っている、ヘッドフォンです。
僕は基本的にヘッドフォンで音楽を聴くのは好きではなくて、アナログ録音時のモニターか雑音などの最終チェックにしか使いません。
その理由は再生音がヘッドフォンによる特性にかなり左右されるからです。なので制作時にはその目的に応じた音のヘッドフォンを選択することになります。録音時のモニターや雑音を検知するのに適したものを選びます。
ただ、ヘッドフォンはそれほど好きではないのです。空間を介さない直接耳に伝える音なので、どちらかというと好んで使うというよりも、作業工程で仕方なく使うことが多いです。
♡購入までの経緯
最近、SynthesizerVで調声をするようになって、MacBookPROを使用して外出先などでも作業するようになりました。そうするとヘッドフォンは必須となってきます。長時間装着して疲れなければ、まぁイイかくらいで適当に選んでいました。
当初はデザイン性からTeenage Engineering のヘッドフォンを使用していました。オシャレな感じと携帯に便利なので使っていました。ハイがカットされて中低位域がモッコリするので、ちょっとしたMix用にも使えそうなの感じでした。しかし、カバンに入れて持ち歩いていると可動部分が折れてしまいました。
気に入っていたので(デザインが〜笑)再注文して、ついでにいろいろ検索していると「アシダボックス」なるものを見つけました。ものすごく評判が良くて一時期は入手困難な状態が続いていました。日本のメーカーでデザインがなんともレトロ。
Teenage Engineeringのヘッドフォンよりも安かったのでポチってみました。
♡調声に最適
結論からいいますと、めっちゃイイです。特にSynthesizerVの調声作業にバッチリです!
丁度、人の声の部分が聞きやすくて微細な変化もこのヘッドフォンだと聞き逃すことがないです。SynthesizerVで調声をされている方には、是非是非お薦めのヘッドフォンです。コスパも良いです。
同じデザインで、ST-90-05とST-90-07というのがあります。僕が購入したのはST-90-07のほうです。評判になっていたのはST-90-05のほうなのですが、さらにパーツのグレードを上げて音をよくしたのががST-90-07です。
低域はあんまり出ませんので、そういった需要の音楽には不向きです。声が聴き取りやすいので、調声とは抜群に相性がイイです。先にもいったようにヘッドフォンは、その目的に応じて使うのが理想的で万能性を求めるものではありません。
最初にいったようにヘッドフォンを使うのはあまり好きではないのですが、これはかなりお薦めです。これを使い出してから、SynthesizerVの調声で細部の音の動きに迷うことが減って作業効率が上がりました。
とにかく声の微細な変化がとてもわかりやすいので、是非使ってみてください!
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