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作詞作曲のオリジナル曲を公開しました。「夢で会うあなたは」という曲です。大切な人に本当の気持ちを伝えられなかった、そんな切ない心を歌った歌です。この曲は「ボカコレ2024冬ルーキー」 にもエントリーしています。
歌詞とメロディ
それではまず曲ができあがるまでのプロセスを簡単に解説していきます。
歌詞とメロディが降ってきた
ある日突然、音楽が頭の中に流れ出すことがあります。僕の場合、完全に全体像(おおまかなバックトラックの伴奏まで)が一気に聞こえてきます。今回の曲、「夢で会うあなたは」は、車の運転中に突然浮かんできました。そのときは歌詞とメロディが同時に流れてきました。
そこで忘れないうちに、最近買ったばかりのMac book PROを立ち上げて、SynthesizerVに歌詞とメロディを打ち込んでいきました。SynthesizerVが便利なところは、まさしくこういうところで、歌詞とメロディを簡単に記録しておけて、しかも歌い手に再現してもらえるんです!
ちなみにSynthesizerVのRyo君に歌ってもらっていますが、歌詞とメロディとRyo君の歌声も同時に聞こえてきました。
夢で見た景色
この曲の中で歌っている「夢で会うあなたは〜♪」は、実際に僕自身が夢で見た景色です。夢の中に時々、父や母が出てきます。そのときは自分は幼い子供です。
実際、そんな父や母をなくしてしまった後は、どんな気持ちになるんだろう?と思ったところから、この景色を曲にしようと思いました。そしてそう考えながら車を運転しているときに、歌詞とメロディが降ってきました。
涙が遅れてあふれ出す
とある友人から聞いた話です。
仕事の合間に仕出し弁当を食べているときに、隣にいた人が急に泣き出したそうです。弁当に入っていた赤いウインナーを見て、「そういえばいつも子供の頃の弁当に入っていたな...」と思いだし、さらに「あ、もう母はいないんだ」と思った瞬間、お葬式の時には全然哀しくなかったのに、そのときになって哀しみがこみ上げてきたそうです。
曲の中でも主人公がそういった感情を感じている情景を入れました。
製作ノート
バックの演奏はハーモニカとギターは生演奏です。今回のベースはベース音源を使用しています。ピアノとベースに関しては、特にこだわりがないときは音源を使用しています。全体のアイデアは既に制作前からできあがっていたので、それを形にしていくことにしました。
使用楽器
- ピアノ/Pianoteq 8
- ギター1/YAMAHA AC1M
- ギター2/Jagard(日本製の古いギター)
- 弦楽(Vn, Vi, Vc)/Spitfire【Two】
- ストリングス/Spitfire【Appassionato】
- ベース/PREMIER SOUND FACTORY
- ドラムス/PREMIER SOUND FACTORY
- ハーモニカ/スズキ OLIVE(G)
生楽器
ギターは生楽器を使うときとプラグイン音源を使うとき、それぞれにメリットあります。
テンポを均等に保ちたいときはプラグインで打ち込んだ方が良い結果が出ますし、揺らしいたいときは生ギター伴奏の方がイイ感じになります。何よりも作業効率がその方が早いです。生ギターを機械的にしたり、プラグインを生っぽくしたりも出来ますが、その場合ひと手間かけて作業する必要があるので、それなら最初から選択肢として、目的に合ったものを選ぶ方が早いですよね。
今回のギターは2種類使っています。ひとつは最近買ったYAMAHAのAC1Mです。この値段でこの音???と思うくらいのコスパ最高のギターです。もうひとつは僕が子供の頃に最初に買ってもらったギターです。年数がたっていい音がします。数年前にヤイリギターの社長直々にメンテナンスしてもらいました。
どちらもサイドバックは合板で、単板のギターのような深い音がしません。しかしレコーディングで必ずしも深い音が必要かというとそうではありません。どちらかというとそういう音は、他にたくさんの音があると邪魔になってしまうことがります。これはギターに限らずピアノでもいえますね。
そして今回、この曲のためにスズキのブルースハープを買いました。
Gキーのブルースハープを持っていなかったのでクロマティックハープで代用しましたがイイ感じになりません。「泣き」の感じを出すために、主音から4度上の和音の音を吸引でベンド奏法をしたかったので、これはGキーのブルースハープでしか出せないと思いました。
これらを楽器をプラグインで生っぽくしようとするととてつもない時間がかかってしまいますが、実際の演奏だと録音のみですので簡単です。もちろん、演奏できるようになるまでの時間は、それなりにかかっているんですが(笑)。
音源
今回のベースはPREMIER SOUNDのアコースティックプラグイン音源を使用しています。これはドラムスに同社のDrumTreeというものを使用していて、この二つの相性がとても良いのです。音質の調整もほとんどすることなく混ざってくれます。プラグイン音源を製作したスタジオが同じなので、録音したマイクや環境が同じなので相性が良いのでしょうね。
ピアノはPianote8のヤマハのピアノのプリセットを使用しています。Pianoteqは物理モデル音源で、ピアノの合成音声です。最もピアノらしい音が再現できるというわけではありません。そういった要素であればVSLのピアノを使います。Pianoteqのいいところは、たくさんの音源、特に他のメーカーのものと混ぜ合わせたときに、ほしいピアノの音が前に出てうまく混ざってくれます。
それとストリングス系は、Spitfireのものを多用することが多いです。大編成の本格的なオーケストラを作るときはVSLを使うのですが、要所要所で弦の音が欲しいときは、Spitfireを使います。アーティキレーションの反応が素直で使いやすいというのが理由です。音もかなり重厚です。
プラグイン音源については、また別の機会にそれぞれの特徴などを詳しく解説していきたいです。
「ボカコレ2024冬ルーキー」 参加曲
この曲はボカコレに参加しています。ボカコレとは年に数回行われる、ボカロPの祭典です。
本来、こういった生に近い感じの歌声はボカロ曲じゃないという意見もあります。僕も当初、この曲ともう一曲、別にボカロ曲っぽいものを作る予定でしたが、夜ピアノを弾きに行っているお店で風邪をもらったようで、集中力が持続しないため時間があまりとれませんでした。
実際、この曲も前日まで完成していませんでした。エントリー初日に間に合うように作りました。
ボカコレ自体は「合成音声での作品」ということですので、SynthesizerVをしようした「生歌」っぽいものも、今後、たくさんエントリーされるのではないかと思います。もしかしたら、エントリー枠が分かれる可能性もあるかもしれませんね。
ボカコレには各種プライズがありますが、それよりもより多くの人に聞いてもらえる機会ですので、そちらの方が主目的です。ただ、今回の歌の内容から、10代、20代の若い世代には刺さらないかもしれませんね。それでも、今は元気な両親に対して何か考えるきっかけになってもらえたらと思っています。
今回、ボカロPらしくないエントリーしていますが、この曲を聴いて何か心に刺さるものがる人が何人かいてくれたら、目的はある程度達成できたといえます。
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付録ー調声に最適なヘッドフォン!
付録として、エムフリお気に入りのお薦めグッズをここに掲載します!
今回は調整作業に使っている、ヘッドフォンです。
僕は基本的にヘッドフォンで音楽を聴くのは好きではなくて、アナログ録音時のモニターか雑音などの最終チェックにしか使いません。
その理由は再生音がヘッドフォンによる特性にかなり左右されるからです。なので制作時にはその目的に応じた音のヘッドフォンを選択することになります。録音時のモニターや雑音を検知するのに適したものを選びます。
ただ、ヘッドフォンはそれほど好きではないのです。空間を介さない直接耳に伝える音なので、どちらかというと好んで使うというよりも、作業工程で仕方なく使うことが多いです。
♡購入までの経緯
最近、SynthesizerVで調声をするようになって、MacBookPROを使用して外出先などでも作業するようになりました。そうするとヘッドフォンは必須となってきます。長時間装着して疲れなければ、まぁイイかくらいで適当に選んでいました。
当初はデザイン性からTeenage Engineering のヘッドフォンを使用していました。オシャレな感じと携帯に便利なので使っていました。ハイがカットされて中低位域がモッコリするので、ちょっとしたMix用にも使えそうなの感じでした。しかし、カバンに入れて持ち歩いていると可動部分が折れてしまいました。
気に入っていたので(デザインが〜笑)再注文して、ついでにいろいろ検索していると「アシダボックス」なるものを見つけました。ものすごく評判が良くて一時期は入手困難な状態が続いていました。日本のメーカーでデザインがなんともレトロ。
Teenage Engineeringのヘッドフォンよりも安かったのでポチってみました。
♡調声に最適
結論からいいますと、めっちゃイイです。特にSynthesizerVの調声作業にバッチリです!
丁度、人の声の部分が聞きやすくて微細な変化もこのヘッドフォンだと聞き逃すことがないです。SynthesizerVで調声をされている方には、是非是非お薦めのヘッドフォンです。コスパも良いです。
同じデザインで、ST-90-05とST-90-07というのがあります。僕が購入したのはST-90-07のほうです。評判になっていたのはST-90-05のほうなのですが、さらにパーツのグレードを上げて音をよくしたのががST-90-07です。
低域はあんまり出ませんので、そういった需要の音楽には不向きです。声が聴き取りやすいので、調声とは抜群に相性がイイです。先にもいったようにヘッドフォンは、その目的に応じて使うのが理想的で万能性を求めるものではありません。
最初にいったようにヘッドフォンを使うのはあまり好きではないのですが、これはかなりお薦めです。これを使い出してから、SynthesizerVの調声で細部の音の動きに迷うことが減って作業効率が上がりました。
とにかく声の微細な変化がとてもわかりやすいので、是非使ってみてください!
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