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以前の記事で「雪の華」を使った歌声紹介をしましたが、そのとき作りかけのものを完成させました。最初からNatalieで作っていたので、彼女の声で仕上げました。そのあたりを解説していきます。
製作について
今回はフルオーケストラアレンジをしてみました。実は原曲はコンビニで数回聴いた程度で、デティールはよく知りませんでした。全体像が書いてあるメロ譜を見て、好き勝手にアレンジしています。特に斬新なことはしていないので、原曲に近いアレンジにはなっていると思います。
オーケストラ音源とピアノはすべてVSL(Viena Symphonic Library)を使っています。
Natalieの声
楽曲において歌声選択はとても大事です。曲のイメージがガラッと変わってしまいます。また細かい調声を始めると、歌声によっては表現がかなり違ってきたりします。本来の良さを引き出す為にも歌声を選択してから調整に入りたいですね。
歌声については、前回いろいろ比較してみましたので、ご参照ください。
先に書いたように歌声によって細かな調声の動きが変わってきます。なので、ある程度予測できる歌声を使う事で効率化が出来ます。反対に使い慣れていない歌声は時間をかけて自分の中で育てていく楽しみもあります。
今回は効率化を優先して、前回の「化粧」と同じくNatalieを使用しました。
Natalieの声は、以前もお話ししましたが、実際に何度かレコーディングしている歌い手さん、「宗平朱音」さんの声に酷似していて、歌声変化のイメージがしやすいというとこともあります。
今のところは合成音声での作品製作をメインにしていますが、今後はライブパフォーマンスも踏まえて人の声を使った作品にも移行していくことを考えています。
そういったとことから、今後、生歌にシフトして作品を発表していくときに、Natalieを使うことで実際に存在する歌い手さんに移行しやすいです。そうすることで作り手側だけでなく、聴き手側も違和感なくボカロと人をつなげた作品に入っていきやすい、という利点があると思っています。
音素記号の入力
調声の方法として音素記号の入力があります。歌い方のクセのようなものを強制的に作ります。
中にはAIの学習元となる歌い手さんが、そういったクセを持っていて自然に歌ってくれるものもあります。Natalieにもそういう部分があって、ここのところよく使用しているのもそういった理由があるからです。
ただ、必ずしもこちらの意図したようにクセを出してくれるものでもないので、そういった場合は音素記号の入力して強制的に効果を出すことがあります。
今回紹介するのは、発声する前に喉を「クッ」と絞って一瞬だけノイズを出すような感じの効果です。「雪の華」の中で多用しているのですが、わかりやすいと箇所で説明します。
「何かをしたいと思えることが、愛ということを知った〜♪」
の「愛」の「あ」の部分です。
言葉の冒頭に「アポストロフィ(’)」もしくは「cl」を、言葉が母音の発案の時に入れることでこの効果が得られます。これはもともと小さな「っ」の音を入れるときに使うのですが、別の効果でも使うことが出来ます。
この音素記号は前に入れる以外にも、言葉を絞って止めるような感じにしたいときにその言葉の後に入れることが出来ます。こうすることで言葉の後方が変化します。言葉の後に入れる場合は、「アポストロフィ(’)」ではなく「cl」しか使えません。
さらに生歌っぽく
歌声の種類によって出来る出来ないの効果ですが、これをすることでさらに生歌っぽくなります。
生ボーカルの編集をされたことのある方はご存じと思いますが、Melodainという音声編集ソフトがあります。これは生歌を読み込ませて様々な加工や補正を行うソフトウェアです。SynthesizerVのUIがこれに少しにているとこがあって、Melodainを使っている人はSynthesizerVの調声も比較的イメージしやすいのではないかと思います。
生歌をMelodainに取り込んで画面を見ていると、とんでもないところに音があるときがあります。実際の音よりもかなり低いところや高いところ、倍音が強すぎてひとりの声なのに和音になって表示される人もいます。
そんな中でもあり得ないくらい低いところから音が表示されることについてお話ししたいです。こういった音が出るのは、発声のほとんどがノイズに近い状態で低い倍音のみが強調されているのではないかと思うのです。
これをSynthesizerVで同じように再現すると以下のようになります。
「いつもいつもそばにいるよ〜♪」
の「い」の部分を実際より2オクターブ下げています。そのあとの「つ」にアポストロフィをいれて「’つ(cltu)」としています。こうすることで、この部分の言葉の発生時にノイズが乗ったような空気感が出て、なんともいえない人間味が出ます。
ただ、この効果は歌声依存のところもあって、Natalieは出やすい歌声です。日本語データベースだとSheenaとGumiも出やすいようです。以前の記事に比較表を載せてるのでご参照ください。
DIGITAL Release
現在、YouTubeで音楽を公開していますが、今後は楽曲を音楽サブスクでの配信で発表していきます。Natalieも何作品かまとめてリリースしていく予定です。
今後の予定
3/22には今まで公開した動画の10曲をアルバムとしてリリースします。アルバムタイトルは、
「Behind the Times」
意味は「時代遅れ」です。懐メロを中心に構成していますのでこのようなタイトルですが、古いものは一周回って最新のものになりますからね!
4/5にはオリジナル曲「夢で会うあなたは」をEP(4曲)でリリースします。
そしてNatalieが歌った曲を集めたEP「化粧」を4/19にリリースします。
それぞれの歌声をメインにしたアルバム、もしくはEPを制作してい予定です。
今はカバー曲の比率が多いですが、オリジナル曲にシフトしていきたいと思っています。今後はYouTubeと並行して隔週ペースで作品をリリースできたらと思っています。
その他のリリース
昨年の夏から様々な要因からリリースのペースが落ちてしまっていましたが、少しずつ再開していきます。小さいながらもDIGITALReleaseレーベルですので、活動をまた活性化させていきたいと思っています。
しばらくは合成音声での作品が主要なリリースとなりますが、ピアノやアコーディナなどのインストものを始め、いろいろ配信していきたいと思います。
また、アーティストの発掘も出来たらなと思っています。
そんなことで、よろしくお願いいたします。
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付録ー調声に最適なヘッドフォン!
付録として、エムフリお気に入りのお薦めグッズをここに掲載します!
今回は調整作業に使っている、ヘッドフォンです。
僕は基本的にヘッドフォンで音楽を聴くのは好きではなくて、アナログ録音時のモニターか雑音などの最終チェックにしか使いません。
その理由は再生音がヘッドフォンによる特性にかなり左右されるからです。なので制作時にはその目的に応じた音のヘッドフォンを選択することになります。録音時のモニターや雑音を検知するのに適したものを選びます。
ただ、ヘッドフォンはそれほど好きではないのです。空間を介さない直接耳に伝える音なので、どちらかというと好んで使うというよりも、作業工程で仕方なく使うことが多いです。
♡購入までの経緯
最近、SynthesizerVで調声をするようになって、MacBookPROを使用して外出先などでも作業するようになりました。そうするとヘッドフォンは必須となってきます。長時間装着して疲れなければ、まぁイイかくらいで適当に選んでいました。
当初はデザイン性からTeenage Engineering のヘッドフォンを使用していました。オシャレな感じと携帯に便利なので使っていました。ハイがカットされて中低位域がモッコリするので、ちょっとしたMix用にも使えそうなの感じでした。しかし、カバンに入れて持ち歩いていると可動部分が折れてしまいました。
気に入っていたので(デザインが〜笑)再注文して、ついでにいろいろ検索していると「アシダボックス」なるものを見つけました。ものすごく評判が良くて一時期は入手困難な状態が続いていました。日本のメーカーでデザインがなんともレトロ。
Teenage Engineeringのヘッドフォンよりも安かったのでポチってみました。
♡調声に最適
結論からいいますと、めっちゃイイです。特にSynthesizerVの調声作業にバッチリです!
丁度、人の声の部分が聞きやすくて微細な変化もこのヘッドフォンだと聞き逃すことがないです。SynthesizerVで調声をされている方には、是非是非お薦めのヘッドフォンです。コスパも良いです。
同じデザインで、ST-90-05とST-90-07というのがあります。僕が購入したのはST-90-07のほうです。評判になっていたのはST-90-05のほうなのですが、さらにパーツのグレードを上げて音をよくしたのががST-90-07です。
低域はあんまり出ませんので、そういった需要の音楽には不向きです。声が聴き取りやすいので、調声とは抜群に相性がイイです。先にもいったようにヘッドフォンは、その目的に応じて使うのが理想的で万能性を求めるものではありません。
最初にいったようにヘッドフォンを使うのはあまり好きではないのですが、これはかなりお薦めです。これを使い出してから、SynthesizerVの調声で細部の音の動きに迷うことが減って作業効率が上がりました。
とにかく声の微細な変化がとてもわかりやすいので、是非使ってみてください!
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